櫻井 亨

本社
CPC

公開日:2020年3月19日

エンターテインメント
としてブレインワークに
邁進できる人

社の新しい方針を実現する最前線で奮闘

日比谷公園に面したオフィスビルの17階に昨年(2019年)秋に移転したキョウエイアド本社。眼下には公園の緑が広がり、その向こうには高層ビルの群れが望める。

櫻井は現在、2018年7月に新設された部署であるCPC(コミュニケーションプランニングセンター)でプランナーとして活躍している。仕事の実際はこうだ。

「プレゼンテーションも自らおこなった、文化施設で開催された特別展示の来場者の増加を目的としたプロモーション案件では、従来の来場者像を分析。判明したのは、若年層を中心にまだ来たことがない人や存在を知らない人が大勢いること。そこで、今まで情報が届いていなかった人達に興味・関心をもってもらうことを目的としたリブランディングを考えました。

結果、ビジュアルの提案を行い、印刷物、ノベルティ、動画や館内展示物を制作しました。また、プロジェクション・マッピング、体験型イベントを実施しました。さらに、SNSの活用やイベントの開催、プレスリリースの発行、会場運営の支援スタッフの配置まで幅広く携わりました。これまでの経験を全て反映させたこの企画の実現は、大きな自信になりました」

CPCではプランニングとともにグラフィックやWebの制作を並立させ、協力会社など外部リソースも含めたスキルや知見を以て営業を支援する。
全国に展開する支社や営業所とも連携して、企業のECサイトの構築やFMラジオ局のCMスポットを活用したオリジナル企画、地方自治体の広報企画の立案など多様な案件を成功に導いたことは、これまで手薄だったアイデアが重視される分野の強化につながっている。

支社とはテレビ会議システムなどで意思の疎通をはかる

キョウエイアドは、ここ数年コーポレートサイトの刷新や社内情報共有システムの整備などを地道に重ねて「自社の強みである交通広告の価値を高め、かつ提案を多面的で魅力あるものとしていく」というメッセージを社内外に発信し続けている。そうした新しい方針を実現するためにCPCは設立された。

CPCが部署として正式に発足する以前から同様の業務で中核的な役割を担ってきた櫻井は、どんな志をもって、どのような道を歩んできたのか。

プランニングが自分の生きる道

前職の広告代理店を経て、再度の就職活動で出会った会社のひとつがキョウエイアド。入社後は交通媒体を販売する業務を担当。「扱うものが目に見え、説明がシンプルで扱いやすい」と感じられた。

そんな日々の中、前職で企画提案書の作成に携わっていた先輩社員と出会う。
「このクライアントならこうした提案ができるよ」とアドバイスを受けるようになり、時には打合せに同行し、企画書の作成を手伝ってくれた。

「アイデアというみえないものに形を与えて売る。目の覚めるおもいでした。同時に、自分がやりたいことはプランニングなのだと視界がひらけた時期でもありました」
以降、さまざまな経験を通じて企画立案こそが自分が進む道であるという確信を深めていく。

磨かれた個であること、そして楽しむこと

その頃、社内では「顧客満足度をさらに高めるため」「提案力やクリエイティブ力を高める」ことで「自社の企業価値を高める」という指針が示され、それを実行できる人材として指名されたのが櫻井だった。
上司の助言を仰ぎながら、どこの部署も属せず手探りで現在のCPCに通じる業務を手掛けた。
「当時は結果を出さなければというプレッシャーと孤独感を強く感じる中、自社の営業活動の現状を分析したり、ブランディングやマーケティングなどのセミナーにも積極的に通いました」

ある日、新設される部署(CPC)のコアメンバーとして活動してほしいと要請された。独自で磨きをかけてきたプランニングの仕事が、新部署に集約される。自分の仕事が会社に認められた証ではあったが、正直なところ戸惑いも感じた。

現在は日々舞い込む案件に対している。部下や他部署とのコミュニケーションに気を配り、プランニング技術のブラッシュアップにも努力を怠らない。そして、変わらず「仕事を楽しめる」ことを心がけている。
「まず自分自身が仕事を楽しむことでよいアイデアが生み出せる。やはり新しいアイデアがどんどん湧いてくる時が楽しいですね」

個人と組織の関わりについてこう話した。
「CPCが結果を出して既存の部署と同等の価値をもつようになれば、とおもいます。そのためには失敗も成功もたくさん経験して、皆がスキルを高めていくことが必要です。そうした力のある個の集まりが組織の力になると考えます。
魅力ある立案で交通広告の必然性も高め、総合力をもった広告代理店として会社の価値を高めていくことが目標です」

会社の成長の礎は個の向上。雌伏の時期にアイデアを生む技術という牙を研ぎ続けた櫻井だからこその言葉だ。

撮影協力:BARレモン

最近、結婚を機に転居した新居に置くダイニングテーブルや暖炉風の暖房器を自作した。
「ショップに気に入ったものがなくて、それなら自分で作ってしまおうと。やはり、ものづくりは楽しいですね」

既成品に満足せず、オリジナルをつくりあげようとするところは仕事での姿勢にも通じる。

「スポーツ観戦、フェスやライブ、映画館やアミューズメントパークなど、エンターテイメントの空間に特有の練り込まれた演出や熱気が好きです。広告もアイデアを形にして人の感情を動かすエンターテイメントだから、自分も楽しみ、そして人々を楽しませる存在でありたいです」
「彼の周りには常に若い人が集まります。様々なリクリエーションの幹事を積極的にこなしているからでしょう。周りを楽しませ、自分も楽しめる、そんな人材です」上司による人物評に傍らで聞き入る柔和な笑顔がそこにあった。

(了)